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2007年 04月 13日
知り合いのK君から電話が入った。 「ちょっと部品が手配できないんです。またまた助けて欲しいんですけど・・・。」 「へー、どうした?何の部品?」 「今回はちっちゃな部品でなんで申し訳ないんですけど、ハマーH3のオイルエレメントが手に入らないんです。」 「はーっ、あのハマーのエレメントね。」 詳しく話を聞いてみると、そいつの会社が契約している部品屋では手に入らないんだそう。 通常、エレメント交換はオイル交換のついでにやる作業。 2~3日中にオイル交換をするんで、早急に欲しいのだと言う。 「まあ、聞いてみるよ。」 電話をきり、馴染みの部品屋に電話する。 「う~ん、これなぁ、GMのハマー用かぁ、う~ん、これは扱ってないのよ・・・。」 「えーっ、取れんの。たかがオイルフィルターじゃん。」 「これは無理。どっか、他って言うてもなぁ・・・市内にはたぶん無いと思うよ。」 「へー、たかがオイルフィルターなのに。なんでなん。」 「ハマーって、こっちには正規輸入代理店がないやろ。それでじゃない。2~3台なら需要がない。」 「・・・・。」 「まっ、市内のクルマ屋からはよく問い合わせがあるんやけど、ウチには取り寄せるルート無し。」 「じゃあ、その問い合わせしてきたクルマ屋なんかはどうしてるんだろう。まさか交換してないってことはないだろうから、どこで手に入れたのかを聞いてみてくんない?」 「それはなあ、たぶん教えてはくれんよ。どこも別のルートを持っとるやろうし。そっちもなんか独自のルートを自分で探せば?」 「・・・・。」 馴染みの部品屋のまさかの冷たい反応に寂しさがこみ上げてくるが・・・。 それにしても、最近は近所をハマーが走っているのをよく見るし、とても意外な話だ。 「まあ、ヒントはあげようわい。この前輸入車ショーがあったやろ。あのときに四国中央市の店がハマーを出品しとったから、あそこならなんかわかるんじゃない。確かマルハマとかいう店やった。まあ、このくらいしか言えんなぁ。」 「わかった。あとはなんとかしようわい。」 早速、電話帳でマルハマを調べるが、そんな名前のクルマ屋は載ってなかった。 正直、途方にくれたが、残された時間は少ない。 市内に無い場合、配送によくて2日、下手すると3~4日は日数がかかってしまう。 片っ端から知り合いに電話をかけまくるが、どこも取り扱ってないとにべもない返事。 8件目にやっと心当たりがあるという大阪の営業マンと話が出来た。 その営業マンは10年以上前から営業でこちらにやってきていて、以前、僕がショップに勤めていたときは、よくくだらない話なんかをしたものだったが、1年前に某ショップで偶然に再会した。 立場が変わった僕にも、以前と同じように接してくれたっけ。 その後、ちょっとしたパーツを問い合わせて以来だったのだが、そのときも昔と同じように優しい対応だったなぁ。 大した取引もして無いのに・・・・。 話を聞いてみると、自分のところでは扱ってないが、自分が取引している店がハマーを扱ってるんで、ちょっと聞いてみますとの返事。 「お願いします」と電話を切ったが、残された時間は少ない。 連絡を待つ間も知り合いの業者に電話をかけまくっていたのが、ハタと気がついた。 僕はずっと国産のスポーツカーのパーツをやってきた人間だから、当然そっち方面には疎い。 ってことは、知り合いだってそっち方面の人は少ないのだ。 長いこと業界に居たが、どうやらメチャメチャ狭い隙間みたいなところでもがいていたらしいと気が付いて、ちょっと笑いが出た。 まあ、こういうときはネット検索が常套手段。 あるある。 オークションで2~3件ヒットした。 価格は¥2100~2600ー。 まあ、妥当な値段であるが、これに送料とかのっかったら、オイルフィルターにしては、まあまあけっこうな値段にはなる。 もうひとつ、確かにハマー用とは書いてあるが、間違いなくハマーのH3用なのかどうかが疑わしい。 ハマーのオイルフィルターに間違いない、という確約が欲しいのだ。 通販だと、万が一、装着に問題があった場合、返品の時間的ロスと送料のロスが辛い。 間違いなく装着出来るかどうかを質問してみようか? すぐに返事が返ってくることは少ないから、その時間がもったい無い。 そうこうしていると、待っていた電話が・・・。 「ありましたよ。」 商品確認のために車検証の番号を伝えようとすると、 「H3でしょう。間違いないそうです。値段は¥1300-。急ぐんでしょう?これ、僕が今買って会社から送りますんで、送料と代引きの手数料¥800-だけ出して下さい。」 凄い。 さすがに長年この業界で飯食ってるだけのことはある。 僕が置かれてる状況が完全に読めてる。 これ以上ない対応だ。 「お互い、何の儲けにもならんけど、まあ、これも仕事の一環かな。こういうこともありますよ。これでSさんの面子も保てるでしょ・・・。」 この言葉は泣けた。 そうなのだ。 たかがオイルフィルター1個を売ったって何の儲けにもならないのだ。 よしんば近くの部品屋にあったとしても数百円の儲けにしかならない。 しかも今回は全くのただ働き。 いや、電話代を考えたら赤字だろう(笑い)。 K君に電話を入れる。 「たぶん明後日に持っていけるから。だけど、送料と代引き手数料が掛かってしまったから、1個だと¥3400-くらいになってしまう。かまわないかな?」 「もう、全然OKです。ならついでに2個お願いします。」 それなら1個¥2400-の計算になる。これならネットよりも安い。 「これで間違いないメーカーと品番がわかるから、次からはネットの商品でも品番で判断出来るし、まっ、なんとかなるやろ。」 驚いたことに、フィルターは翌日届いた。 たぶん、あの電話のあと、すぐに送ってくれたのだろう。 本当に頭が下がる。 フィルターはオペルやGM純正バッテリーで有名なAC Delco製だった。 バッテリーは知っていたけど、フィルターもやってんだ。 なーんだ、Delcoなら近くにDelcoショップがあるじゃないか。 こんなこともわからないのかと思うだろうが、それはわかった後だから言えることなのである。 少なくとも市内の部品屋からは、そんな話は全く聞かなかったし・・・。 これも立派なノウハウというものである。 知ってる人ならなんでもないことだが、知らない人にとって、これは一大発見なのだ。 それを持って、意気揚々と知り合いのクルマ屋に行った。 若いスタッフからは、とてもありがたがられ、K君からは丁寧なお礼を言われた。 事の顛末を話して聞かせた。 「それじゃ、儲けがないじゃないですか?それで良いんですか?」 「今回は儲けじゃないのよ。クルマ屋としての僕のの意地なんよね。」 「マージですか!いや、ホント、助かります。ありがとうございました。」 「笑い話になっちゃったけど、今度からはそこのDelcoショップで買うといいよ。」 「そうですね。それがわかったのも収穫でしたね。」 「ところで、四国中央市にハマーを扱ってる店があるらしいんだけど、なんか知ってる?」 「そういや四国中央市の56号の道沿いにハマーが飾ってある店ありますね。あそこのことかな?」 「それってマルハマっていう名前だった?」 「いや、マルハマじゃなくて・・・なんだったかなぁ・・・ただ、あのハマーのお客さんもあそこで買ったって言ってましたねぇ。」 「そうなんだ。まあしかし、たかがオイル交換で四国中央市までは行けないよなぁ・・・。」 「でも、Sさんのお客さんって、ただのオイル交換だけなのに、南予とか東予からでもいっぱい来るじゃないですか。」 まあ、僕はお客さんに恵まれているのは確かなんだけど・・・。 後日、何気にネットを見ていたら、四国中央市にマルタニという正規ディーラーを見つけた。 マルハマじゃなくて、マルタニだったようだ。 今回のことで、なんか考えさせられた。 まあ、ちょっと頭の回る賢い奴なら、こんな面倒なことには最初からかかわらないだろう。 確かに数百円の儲けでは、電話一本でさえ、面倒臭くて動けない。 あの馴染みの部品屋だって、こうなることがわかっていたから、話を途中で放り出したのだ。 利益に見合った仕事を優先するのは、しごく当たり前の話だ。 しかし・・・。 あの馴染みの部品屋も、昔は損得抜きでよく動いてくれていたのだ。 自分のところが扱ってない商品なんかでも、どうにか手に入れてくれたものだった。 その節には僕もそうとうお世話にもなった。 あの頃と比べると、そいつも偉くなった。 偉くなるとそうなるのか、それとも僕がずっと勤めていた店を辞めたから対応が変わってしまったのか・・・。 それはわからないが、自分は損得だけを考えて動く人間にはならないでいたいと思った。 あのいつでも優しい大阪の営業マンのように。
by high-drive
| 2007-04-13 00:48
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