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2007年 09月 10日
(ビカビカに光るメッキホイールがワインカラーのボディに映える) 4ヶ月くらい前に古くからのお客さんであるS君から久々にメールが届いた。 このS君は僕と同じF-1のファンである。 今回もてっきりF-1に関するメールだろうと思っていたのだが・・・。 S「友達がbBを買ったんで、それに似合うホイールを探して欲しいんですけど・・・。」 僕「ほーっ、bBかぁ、なんか奇遇だなぁ。2~3日前にお客さんから頼まれて、今ちょうどbB(中古車)を探してるところなんだよね。」 ちょい前から資料も集めてるし、グッドタイミングじゃん! 僕「bBなら純正が15インチだから2インチアップの17インチで決まりでしょ。」 S「17インチですか?予算にもよるけど16インチでも良いと思います。」 僕「ホイールデザインは車体の形が角ばってるから、やっぱアメ車のバンをドレスアップしたみたいな雰囲気で・・・。」 S「ん?角ばってないですよ・・・。あっ!bBは新しいやつです。なんか、ヌメヌメした感じの今のモデル・・・」 僕「えっ!新しいやつ!」 S「そうです。現行型のbBです。」 僕「ミュージックプレーヤーか、で、何色?」 S「なんか、暗いワインレッドって言ったらいいかなぁ・・・。」 正直言って新しいbBに関しては何も知らなかった。 ただ、シートが寝たままで沈み込むという、なんかいやらしいリクライニング機構が付いてるのだけは知ってた(笑い)。 僕「ちょっと調べてみるよ。」 S「任せますんで、よろしくお願いします。」 任せると言われると正直ビビってしまうが、任せられた以上は良いものを選びたい。 いつもの「もしもオーナーが自分だったら・・・」の精神で慎重に考えるしかあるまい。 僕の持っている資料は初代のbB(3#系)のものであったから、何も情報は載っていなかった。 インターネットで現行bB(2#系)のインチアップ情報を調べるが何も引っかかってこない。 本屋に出向いてみるも、新しいbBに関しての専門書は出ていないようだった。 こうなりゃ生の情報をもらうしかない! 馴染みの業者さんに電話してみる。 やはり、その道のプロの意見は参考になる。 かなり的確なアドバイスをもらえた。 ホイールマッチングに詳しいその業者が言うには、現状でジャストサイズを選ぶなら16インチが無難という話。 残念ながら20系bBは既存の17インチホイールを装着するのがとても難しいクルマであった。 その理由はインチアップした場合にその外径にドンピシャな17インチタイヤがないこと。 「いやいや、純正オプションでもモデリスタモデルでも17インチ装着車があるじゃない?」 「雑誌だと18インチつけてる奴もいっぱいいるし。」 なーんて言われてしまいそうだ。 確かに18インチを無理やりブチ込む猛者もいるけど、それはbBというクルマの車体の大きさにあわないホイール選択だと思うのだ。 ホイールだけが走っているように見えるのは、ちょいと不細工に思える。 タイヤ外径も全然合わないし・・・。 では17インチは? bBには純正オプションで17インチ7Jサイズのホイールが用意されている。 これの画像をみてみると、このサイズが一番カッコ良く見える。 だが、それらに合わせてあるタイヤは205/40R17なのだ。 そう、205/40R17ではタイヤ外径が大きすぎる。 20系bBの純正タイヤは185/55R15だから、外径587mmの大きさである。 205/40R17の外径は596mmだから、ほぼ10mm外径が大きくなってしまうのだ。 これが16インチならば、205/45R16で588mmという理想的な数字になるのだ。 タイヤ外径が大きくなると何故良くないのか? bBはただでさえ加速の悪いクルマである。 そのbBにに外径の大きなタイヤを装着すると、もっと加速が鈍くなってしまう。 市街地のストップ&ゴーや、高速の登りでストレスを感じるのは火を見るより明らかなのだ。 むろん、ちょいと大きなタイヤを装着することで、ホイールとフェンダーの隙間を埋めて視覚的なシャコタン効果を狙うドレスアップの方法もあるにはある。 しかし、大枚を叩いてストレスを感じるなんて、正統派のチューニングではないと思う。 こういった情報を総合すると、もしも僕自身がオーナーならば17インチは付けないだろうという結論に達した。 商売ではあるけれど、やっぱ自分に嘘はつけない。 結果をS君に連絡する。 僕「17でも無理すればいけるけど、良いサイズのタイヤが無い。ちょい大きいタイヤならあるけど、加速も悪くなるし16インチが無難かな・・・。」 S「そうですか。なら、16インチで考えさせます。で、どんな感じのホイールがいいですかねぇ・・・本人はスポーティーなものが良いと言ってるんですけど・・・。」 僕「スポーティーな感じか・・・。」 デザイン選びは難しい。 携帯へいくつかの画像を送る。 S「友達はホイールをつけるのが初めてで、どれが良いのか判断出来ないそうです。僕もホイールは何度は買ったことがあるけど、ドレスアップは初めてなんで・・・。」 僕「いや、デザインの最終決定は本人がしたほうが良いよ。高い買い物なんだから。」 S「お勧めはどれですか?」 僕「う~ん、16インチだと大きさがイマイチだよね・・・なるべく大きく見えるやつが良いけど・・・。」 S「16インチかぁ・・・まあ、値段は安くおさえられるけどなぁ・・・。」 僕「どっちみち、ボディカラーがワインレッドなら、メッキホイールなんかのほうが似合うとは思うよ。」 正直言うと、どんなにデザインの優れた16インチで、それが不便を感じないジャストサイズであろうと、やはり17インチを装着したクルマにはかなわない。 例え、加速が悪かろうが、轍でステアリングをとられようが、大きいホイールにはそれを黙らせる説得力がある。 自分だったら無理しても17インチを付けてしまうかもしれない。 でも、現状で17インチを装着してしまうと、後で後悔してしまいそうな気もする。 また、16インチで「良いな」と思えるホイールが無かったのも事実だったし・・・。 bBのオーナーであるN君もいろんな雑誌でホイールを探したみたいだったけれど、気に入るようなものが見つけられないと言っていたっけ。 自信をもって勧められるものがなかった。 そうやって、この話はうやむやになってしまった。 それがこの春にあった話だ(北の国から風)。 それから時は巡り、あっ!と言う間に夏が来た。 僕が暑さで喘いでいる頃、S君から再びメールがやってきた。 S「この前のbBに乗ってる友達が、やっぱりホイールを付けたいと言い出したんですけど・・・。」 僕「あっ、あのなんかうやむやになってた話の続きか・・・。」 S「ちょっとタイヤが大きくなっても、やっぱ17インチが良いって言ってます。ホイールのデザインは相談して決めたいそう。お勧めのやつの写真を見せて下さい。」 僕「了解。もう一回調べてみるよ。ホイールの画像も用意するんで、一度話しをしましょう。」」 またもや馴染みの業者に連絡を試みてみた。 すると「ちょうど良いのがリリースされたんですよ」と言うではないか。 さっそくパソコンで画像を確認する。 ん? 第一印象は、なんかパッとしないようなデザインだけどなぁ・・・。 でも、このデザインはなんか面白い。 ありそうでなかったデザインだなぁ・・・。 そう思って、20系bBの専門書を見ながら車体デザインとホイールとをしばらく眺めていると・・・んー、むむっ、これって案外良いんじゃない? bBの車体全体から受ける曖昧なラインというか、フロントバンパーの緩めのラインに妙に合ってる気がしてきたのだ。 ホイールというのは不思議なパーツで、単体ではパッ!としなくても、クルマに合わせてみるととてもカッコ良いという場合がある。 今回のホイールはまさにそのケースだと思ったのだ! さらにこのホイールは17インチなのに6.5Jというサイズ設定がある。 さらにさらに業者さんから嬉しい情報がもたらされた。 「195/40R17サイズのタイヤが出たんですよ。」 おおっ、待っていたサイズの登場ではないか! 195/40R17ならば、6.5Jのホイールに組むのは最適である。 ちょい引っ張り気味で、タイヤのシルエットもカッコ良さそう。 S君に詳細を話すと、細かい説明がてら、N君をふくめ顔あわせをしようということになった。 たまたまだったんだろうけど、少し待ってみて良かった。 これならデメリットのないインチアップが出来る! bBのオーナーとS君が遠路はるばるやってきた。 2人が僕の報告を聞いてくれ、そのお勧めのホイールを検討してくれた。 bBのオーナーは最初スポーティーなホイールを考えていたのだが、あのbBの車体デザインにスポーティーなホイールは似合わない。 コンパクトミニバンの王道らしく、キラキラホイールで派手に仕上げようと僕は提案した。 このホイールのウリは本物のクロームメッキであることと、20系bBに無理なく17インチを装着出来るサイズ設定で、しかも全体的なデザインがbBに似合うだろうということ。 何も悪いところがない、はずもない(笑い)。 そこいらに転がっている安価なメッキ風ホイールとは値段が違う。 そう、本物のクロームメッキを施したホイールは製造単価が高いんだよね。 しかし、このbBオーナーも安っぽいものは求めていなかった。 初めてのホイール選びだったが、こういったパーツ選びに慣れてるS君のアドバイスもあり、結局は僕のお勧めを選んでくれた。 これに合わせるタイヤは2つのメーカーからリリースされていたのだが、迷わず国産品のダンロップ ル・マン703を選んだ。 これは、タイヤは国産品が最高であると信じてる僕のアドバイスをN君が快く受け入れてくれた。 ダンロップ ル・マンを選んだのは、このタイヤのショルダー部分が丸いこともあった。 ローダウンして、フェンダーアーチとタイヤの隙間の少ないクルマにショルダーの丸いタイヤ合わせると、より低さを強調出来るという理由があったからだ。 タイヤのショルダー部分がゆっくりとフェンダーの中に入っているから、光の当たる部分がタイヤのサイド部の中心に限定される。 それでフェンダーの影になる隙間がいっそう暗く見えるようになり、さらにホイールが強調される。 見よ!この輝き! クロームメッキの本領発揮だ。 これで長かったタイヤ&ホイール選びが終わった。 全体の値引き額は通販よりも安い価格とした。 後日、装着作業の為にS&N君がやってきた。 さっそく装着作業をはじめる。 ル・マン703はタイヤ内部に面白いものを装着してる。 TV CMでもお馴染みの吸音スポンジだ。 スポンジを内部に貼り付けるなんて、なんて凄い発想なんだろうと思う。 内部にこんな仕掛けをしたタイヤって初めてじゃないだろうか? 僕は素直に感心した。 ただ、実際の効果のほうはどうなんだろ? そうこうしてるうちに問題なく作業は終了。 クロームメッキのホイールがbBのボディに映える。 N君も思っていた以上にカッコ良くなったクルマを見て満足そう。 後日、S君にN君の様子を尋ねた。 「N君があのホイールを相当気に入っています。相談して良かったと言ってました。」 この一言を聞きたかった。 長い時間悩んだ甲斐があったというもんだ。
by high-drive
| 2007-09-10 11:21
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