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2007年 11月 12日
今回はちょっとしたマイナートラブルに関する話。 ネタとしては小さいのだが、取り上げたことがない部分の話だったこともあり、ちょっと書いてみることにした。 ある朝、久々にM氏から電話があった。 昨日の夜に「ブチッ!」っと音がして、ロードスターの助手席の窓ガラスが上がらなくなったらしい。 前に預かったときに、窓の上がりが異常に遅く、そろそろなのかな?とは思っていた。 NA6ロードスターのパワーウインドウのワイヤー切れはとても多い。 僕自身、マツダのディーラーでもないのに、当時付き合いのあった3台のNA6すべて、この修理をやったことがある。 NA6の窓ガラス脱落は、いわば持病なのだ。 修理の段取りも全て頭に入っている僕としては、こんなことくらいは朝飯前。 空を見上げる。 ついでネットで天気を調べると、幸いにも今日は晴れのようだ。 窓が閉まらないままで雨でも降ったら、M氏も辛いだろうと察し、すぐにレギュレターの在庫を確認する。 珍しいことに在庫があると言う。 部品屋が言うには、レギュレターだけとか、モーターだけという単品では売ってないらしい。 うんうん、ちょっと妙な話だけど、確か以前もそういうことを言われたと思い出す。 だから、パーツとしては別なんだけど、どちらかを注文するともれなくセットでやってくると言う。 まあ、モーターの動きも悪ったから、この際交換しておいてもいいだろうと考え、注文を入れた。 レギュレーターとモーターは在庫してあったんで、すぐに配達を依頼し、僕はクルマを引き取りに行った。 ホントは現場の駐車場でチャッチャとやってもよかったんだけど、別の用事があったこともあり、ドライブがてら持って帰ることにした。 久々に乗ったNA6は、さらにショックの抜けが進行しており、加えてデフマウントがさらにグラグラになっていた。 「ん?この病状の進行具合は尋常ではない。どこかで過激に走ったのだろうか?」 K君とともに作業を開始する。 まあ、以前にやったときの感じで言えば、1時間ぐらいあればやれるだろう。 内張りを外していくと、内張りが水で濡れてしまっている。 前の作業のときも書いたが、このクルマの前のオーナーは、ドアスピーカーの低音を強化するためにチャチな防振を施していた。 その際に防水のシートを剥がしてしまっているもんだから、内張りが水浸しになってしまうのだ。 これが最近のクルマのようにプラスチックなら問題も少ないが、このロードスターの内張りは粉砕した木材で作った特殊芯材。 これは水に弱く、濡れたままだとふやけたようになってしまい、しかもなかなか乾かない。 この状態でドアからクリップを外す作業を行うと、力のかかる部分はほぼ間違いなく破れてしまうのだ。 まあ、この破れは致し方ない。 そうやって内張りを外すと、ドアパネルのサービスホールを適当に塞いだ制振シートが見える。 その制振シートを剥がしていく。 サービスホールの奥に見えているガラスの留めネジを外す。 上からガラスを引き抜く。 レギュレーターとモーターを留めているネジを外す。 モーターを引っ張り出し、レギュレーターを上から引き抜く。 ワイヤーが錆びて切れてしまっているのを確認する。 よし! ここまでで20分とかかっていない。 修理はドア片側だけだから、全部で30分もあれば終わるだろうと思い、明日に予定していたタイヤ交換の予定を今日に繰り上げる連絡を電話で済ませる。 さて、配達されたパーツを確認しておこう。 伝票はモーターとレギュレターを別々に打ってある。 これってパーツとしては別々に表記されてるんだなぁ・・・。 ちなみにモーターは¥13.860-でレギュレターは¥6.804-だった。 このモーターだけど、新しいものには巻きつけたワイヤーが収まるところに水抜き用の穴が空いている。 古いモーターにはこの穴はない。 どうやらここに溜まった水分により、長い間にワイヤーが錆びてしまい、それで切れてしまうようだ。 別々に値段があるのなら、個別に注文できるんじゃないのか?と疑問が湧いた。 まあ、今回はモーターの動きも怪しかったんで、別に良いけどぉ・・・。 ん! あれ? なんかおかしな気がする。 モーターとレギュレターは良いとして、このプラスチックの駒のようなパーツはなんだろ? ・・・・・。 まあ、まずはレギュレーターを確認するか。 ついでモーターを見てみるが・・・あれ?ワイヤーが繋がってない・・・。 以前に3台のロードスターのレギュレター交換したときには、モーター部からワイヤーが出ていて、それをレギュレターに引っ掛けるようになってたはず。 どうやらモーター部にワイヤーを組み込む作業をやらないといけないらしい。 ワイヤーがどう組み込まれているのかを確認するために、壊れたほうのモーターを分解してみる。 このクルマのパワーウインドウは、モーターを回すことで窓を上げるときも下げるときもワイヤーをただ引っ張るという単純なモノ。 S13シルビアなんかも同じ方式だ。 モーターの中心には糸巻きのようなプラスチック製のコマがあり、それの表側と裏側にそれぞれワイヤーーが引っ掛けてある。 スイッチでモーターの回る方向が変わるから、このコマも同じように回って、それぞれ上げる側のワイヤーと下げる側のワイアーを引くという構造だ。 このコマにワイヤーの先端の留めを嵌め込まなければいけないようだ。 そんな面倒な作業をホントにやらねばいけないのだろうか? まずは部品屋に連絡する。 「確かに昔は組み込んであったよね、今はバラバラのままのものしかないみたい・・・。」 仕方なくワイヤーーを嵌め込み、モーターを回してみる。 窓ガラスはちゃんと動く。 よしよし。 レギュレターを取り付け、ガラスを取り付ける。 モーターを回してみると、ガラスは動くが上がりきらないし、下がりきらない。 あら? いろいろと見ていくと、どうやらワイヤーの遊びはスプリングの縮む幅だけのようで、ワイヤー自体はギリギリまできっちり巻き付けないといけないようだ。 しかし、両方のワイヤーにテンションをかけたままで、このコマにワイヤーを嵌め込むのは難しいぞ・・・。 このコマはプラスチックだから、無理な力をかけると割れてしまう恐れがある。 弱った・・・。 これはタイヤ交換どころの話じゃないみたい・・・。 さっき連絡したR君に事情を伝え、以前からの予定通り明日にしてもらえるようお願いする。 恥ずかしい話だが、実はここから3時間の悪戦苦闘が始まったのだ。 コマにワイヤーを引っ掛け、ちょっと回してテンションをかけ、モーターにコマをちょっとだけ嵌め込み、反対側にもワイヤーを掛け、テンションを掛けたままで・・・。 それを何度かトライしてみたが、どうしても最後のところでワイヤーが突っ張りきってしまう・・・。 やっぱり無理みたい・・・。 これは何か変だ。 どう考えても難しすぎる。 作業を繰り返していると、ワイヤーの捩れが緩み、コマの溝に入りにくくなってくる。 そのたびにワイヤーをよりなおしする。 ホント、疲れる作業だ。 でも、こんな作業をしなければいけないなんて絶対におかしい。 たぶん、なんらかのコツ、もしくは専用のSST(スペシャルサービスツール)があるのじゃないか?と考えた。 そういうことを聞くならば、やっぱりMAZDAディーラーに聞くべきだろう。 MAZDAディーラーのサービスに電話し、修理書のコピーをFAXでもらえるようにお願いする。 ここで小休止。 汗をぬぐい、タバコに火をつける。 こんなことになるとは・・・・・。 30分たったが、MAZDAからはFAXが来ない。 まあね、向こうも忙しいだろうし、こっちとしてはお願いした側だから・・・。 さらに30分待ったが、やはりFAXは来ない。 どーなってるんだろう? さらに30分が経過したところで、待ちきれなくなり電話を入れてみる。 サービスが言うには、その部分が解説されたところが無いので、送れるような図面は無いと言う。 「無いなら無いで連絡してこいよな(怒)」 なーんていうセリフは腹にしまい、怒りの言葉も抑えて、なんとかコツを教えてくださいと頼む。 ところが、電話口のこやつは口ではなかなか言いづらいと言う。 そこをなんとかと口説き落とし、ワイヤーにテンションがかかったままでどうやって組み込むのかを聞いているうちに、あちらの空気がなんとなく伝わってきた。 こいつはこの作業をやったことが無いみたい! もっと詳しい人は居ないかと言うと、今は居ないと言う。 弱った・・・。 今日中にこの作業を終わらさねば、M氏に迷惑がかかる。 考えた末に、工賃を払うから今から持って行っても良いか?と尋ねてみた。 そうすると、今日は忙しいから明日にしてくれないか?と言う。 またまた空気が伝わってきた。 こやつ自身はこの作業に自信がないようだ! 無駄なやり取りに疲れた僕は、頑張ってみて駄目なら明日持って行きますと言い、電話を切った。 さて、どうしよう? 構造は理解したから、あとは嵌め込むだけで良いのだが・・・。 やはり、あの人にお願いしよう。 電話をして馴染みの修理工場の社長に事の次第を伝え、作業を依頼する。 「そんなことぐらいなら今からでもやれるでしょ。すぐに持ってきてください」と言われ、片道30分の道を急ぐ。 現着してすぐに作業を開始した。 しかし・・・。 「これは何かおかしい。確かワイヤーは巻いてあったと思うんだけど・・・。」 事の次第を話ながら、作業を進めていくが、結局は僕と同じところで壁にぶち当たる。 それから3時間の間、苦闘は続いたが最後のところで壁にぶつかったまま・・・。 日は暮れてしまい、夕闇がせまってきた。 もう、いつまでもこんなことをやっているわけにはいかない! 「ええい!無理にでも嵌め込んでしまえ!!!」 この時初めて二人がかりで作業を行う。 狭い空間なので、それがなかなか難しい(笑い)。 一人がワイヤーに嵌め込んであるスプリングを押さえ込み、もう一人がワイヤーを無理やり嵌め込む。 ワイヤーを抑えている指に限界がおとずれる度にやり直しになる。 何度目かのトライでその時は訪れた。 「は、はいった!!!」 もう、あたりは真っ暗。 虫の音も聞こえてきてる。 落ち着いてる暇はない。 さっそく組み込んだ糸巻きをモーターに嵌め込む。 作動を確認する。 アップ・ダウンともに動作に異常はない。 どうやら糸巻きの処置はうまくいったようだ。 モーターをドア内部に取り付けし、ぶら下げていたレギュレーターも取り付けする。 ガラスを上から嵌め込み、下部を取り付けして、内張りを取り付ける。 「か、かんせいだあ~。」 時刻は20時30分・・・。 たったこれだけの作業のために半日以上を費やすなんて、完全に駄目駄目メカニックと言える。 でもね、この作業って相当難しいというか、取り寄せたパーツを破損させてしまいそうで本当に怖い。 もう一度同じ作業をやれ!と言われたら、今度は1時間くらいではやれそうだけど・・・。 後日、この話をN君に話したら、N君も180SXで同じ作業をやったことがあるそう。 N君曰く「あの作業は僕らも相当な時間がかかったんですよ。ギリギリまでワイヤーを巻いてから強引に嵌め込むようにしてしまうと、プラスチックのコマの溝が割れてしまいそうで、結局は1日かかったはずです・・・。」 やっぱり面倒な作業だったんだなぁ・・・。 M氏にクルマを引渡したときに足廻りの状態を伝えたが、過激に走り回るようなこともしてないし、走行会にも行ってないという。 であれば、かなりの末期症状になってしまってるようだ。
by high-drive
| 2007-11-12 10:17
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