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2007年 06月 29日
普通に中古車屋の店頭で買うよりも、かなり安く買えるのでとても満足していた。 そんなとき、またまたクルマが欲しいという依頼があった。 いや、それに対する報酬は無いから、正確に言えば依頼ではなく、ボランティアということになるだろうか(笑い)。 僕の本業はクルマの売買ではない。 なのに、何故依頼が舞い込んでくるのか? これに関しては3つの理由があるようだ。 ①クルマに関することなら、とりあえず“S”に任せておけば良い(笑い)。 ②中古屋に行ってみたいが、なんとなく怖いし、ひょっとしたら騙されるかも? ③大事故車をつかまされるのは嫌だから“S”に見てもらえれば安心だ。 まあ、こんなことが理由らしい・・・。 儲からない無駄な仕事を僕が引き受ける理由は、「単に頼まれてしまった」から(笑い)。 ただし、別の理由もある。 それは僕自身にとって良い勉強になるからだ。 僕の本業はチューニングだから、やっぱりチューニングベースとして適しているクルマとばかり接してしまうことになる。 そういうクルマは今、とても少数派になってしまったから、自然に自分が触れられるクルマの幅も徐々に狭くなっていっている。 そんなわけで、一般の人?の好む、いわゆる売れてるクルマ(軽自動車やミニバンね)を見たり乗ったりする機会は意外になかったりするのだ。 だから、この売買に関わることで知識の幅を広げることが出来る。 走り以外の性能というか、グレードによる装備品やオプション類の違いもわかったりして、これが意外に面白かったりするのだ。 ちなみに、最近仕入れた情報で面白いと思ったのは、アルトワークスのスロットルがワイヤーではなく、電子式になっているという話。 いやいや、軽でも侮れないなぁ・・・。 何件かのクルマを仲介してみてわかったことがる。 中古車を探す場合は、そのクルマの色やグレードや装備よりも、まずは程度が一番大事だということ。 色よりも装備よりも、なるべく高年式のもので、それに見合った走行距離のものが良い。 初めての車検(新車で買って3年目ね)で走行3万キロなんていうのが良い。 「それは嘘だろ、走行距離は少なければ少ないほど良いじゃない。」 なーんて言われそうだが、これは間違いない真実。 初車検時に走行が800kなんていうのは危ない買い物になる。 なぜならクルマは動くことを前提に作っている機械製品だから。 例えばタイヤと車体を繋いでいるのはハブベアリングやタイヤといった回転体だが、こいつは回転していることを考慮して設計されている。 同じ部分に車重が掛かったままという状態では、必要以上のストレスがかかってしまう。 オルタネーターだって、走っていなければ発電しないし、オイルやLLCだって、エンジンが回っていなければ留まったままになる。 まあ、クルマっていうのは置いておくものではないのだ。 それでは、逆に過走行のために安くなってるクルマはどうだろう? 初車検で100,000キロとか(笑い)。 こいつも考えものだ。 なぜなら、クルマは機械だから。 結局はそれ以上でもそれ以下でもない。 機械であるからには、消耗は避けて通れないのだ。 たとえ希望通りのグレードが見つかっても、そいつの走行距離が20万オーバーだったり、内装・外装がグチャグチャだったら、やっぱりそのクルマは選ばないでしょ。 だから、年式に見合った走行距離のものが望ましいのだ。 こう考えてみると、やっぱり新車を買うのが間違いないということになる(笑い)。 でも、新車は買わない。 なぜなら高いから(笑い)。 そう、クルマ選びには値段が絡んでくるのだ。 中古車ならば、とりあえず用意する絶対金額は安く済む。 割安感があるからこそ中古車を選ぶのだ。 話が逸れてしまったので、本題に戻ろう。 今回、お客さんからはジムニー(JA22W)の紺色を買って欲しいと頼まれた。 残念ながら、僕はジムニーについては「ダウンヒルオフロードでは最速」というくらいの知識しかない。 例によってジムニーの専門書を何冊か買い、予備知識を仕入れた。 現行モデルはJB23型なので、依頼されたJA22は前の型ということになる。 「まあ、軽4だから普通車みたいには安くなってないだろうなぁ・・・」とは思ったが、そんなに難しい相談ではないだろうと予想した。 ちなみにJA12という同時期に売られていたモデルがあるのだが、こいつとの違いはエンジン。 JA12はF6Aという鋳鉄ブロックエンジンで、JA22はK6Aオールアルミエンジンを搭載している JA22が生産されたのは、1995~1998の4年間だから、最終モデルでも10年前のものということになる。 「10年前の軽4かぁ・・・¥50、000-くらいかなぁ・・・走行距離も普通で10万キロくらいにはなるよなぁ・・・。」な~んて軽く考えていたのだが・・・。 中古相場を調べてビックリ! 下は40万~上は80万くらいの価格なのだ。 程度の良いものになると、100万近いものも珍しくない。 「当時の新車価格が125万くらいなのに、10年経ってまだこの価格とは・・・なんなんだ?」 何件かの専門の業者に話を聞いてみると、ジムニーは買ってしばらく乗ったとしても、売るのに困らない超高値安定銘柄らしい。 「こいつは簡単な話じゃないなぁ・・・」と、ようやく気付いた。 依頼主が用意したのは80万円。 ってことは、オークション会社に払う総額が12~14万だから、車検無しで60万車検有りなら65万円までで落とさなければならない。 (100万以内なら7万円・100万以上なら7%の手数料と落札料1万と回送料はその会場よって違う。) 事故修理有り車とか、内外装がボロいもの、エンジン不調車とかなら20万くらいからあるが、それじゃあ買ってからの整備費用が高くついてしまう。 なので、評価点3.5以上のものを探すことにした。 それとは別に、僕の判断で条件をもう一つ付け加えた。 それは特別仕様車のワイルドウインドを狙うということ。 ワイルドウインドならばアルミホイールやフォグランプ、ルーフキャリアや樹脂性スペアタイヤカバーが標準装備なのだ。 安いからと言って、下手に標準車を買ってしまうと、外観がとてもみすぼらしくなってしまう。 依頼主は通勤に使いたいという意向なので、山の建設現場で使うような(鉄ホイールとか)洒落っ気がないのは寂しいだろうと考えた。 実際に建設現場でジムニーに乗ってる人をよく見る。 これには理由があって、狭い場所や急斜面の泥濘地で軽トラックよりも機動性が高いからだ。 競技以外でもジムニーの優秀さが垣間見えてくる。 まあ、そんな条件で何台かに値段を付けてみたのだが、依頼者の指定したボディカラーの紺というのがネックになり、落札は困難を極めた。 その状況を逐一依頼主に伝えていたのだが、数日経ってボディカラーに黒とワインを加えることを譲歩してもらえた。 まあしかし、その辺の色も少ないのよね・・・。 なかなか進展しない状況が一変したのは一本の電話だった。 「買えましたよ。紺色の7万5千キロ。落札金額は43万1千円・・・。車検は無し。」 4月の初めから探し始めて、落札出来たのは4月の終わりのGW突入直前であった。 翌日に車両代金と落札にかかった経費60数万円を支払い、そのクルマは3日ほどやってきた。 連休中日のことである。 まあ、10年前のクルマである。 あちこちに細かなキズや色褪せが認められる。 車両を細かく点検していく。 ダメなところ ①リアシートがとても汚く、おまけに他のグレードのものが付いている。 ②フロントは新品に近いが、リアタイヤが磨耗してしまっており、おまけに前輪との銘柄が違っている。 ③ワイパーは3本全てが、アームからなにから錆だらけ。 ④ヘッドランプは一昔前のシールドビームで滅茶苦茶暗くて、まるでトンネルの照明であるナトリウム灯みたいな色。それを留めてるランプストッパーも錆だらけ。 ⑤Fバンパーを留めているクリップが無い。樹脂製のバンパーカバーがグラグラ。 ⑥室内のメーターレンズが縦に大きく割れていて、小物入れも破損してしまってる。 ⑦運転席のウェザーストリップゴムが朽ちてしまってボロボロ。 ⑧MDデッキ。ラジオは鳴るがMDを入れるとエラー表示・・・。 ⑨リア左のショックからオイル漏れ ⑩ブッシュ類はイマイチ ⑪ガラスが全部透明なんで、日差しがとってもキツイ。 良かったところ ①プラグはイリジウムの新品が入っていた。 ②エンジン&ミッション・デフからのオイル漏れがない。 ③水漏れもない まっ、こんなところかな。 依頼主と相談して、金額内で収まるよう話合い、整備を進めていく。 リアシートは運良く中古品が見つかった。 タイヤは磨耗してないほうのBSデザートデューラーA/T693と同じものを2本だけ新調する。 ヘッドライトはシールドビームからマルチリフレクターのハロゲンバルブ式のライトに交換。 その他、各種のオイルや室内外の不備も修理する。 埃とタバコのヤニで汚れているインパネは全て外し、洗剤を使い洗い流した。 特にA/Tフルードはドロドロだったんで、8ℓくらい使い洗うように交換した。 ちょいと敷地内で試乗してみる。 ん? なんだこのフロントの頼りなさは・・・。 あまりにも手ごたえのないハンドリングに愕然として、いろいろと聞き込みをしてみた。 「ジムニーって軽4だろ、そんなもんよ。」みんなが同じような意見を言う。 でも、僕は釈然としないんで、ステアリングの不良を疑ったり、どこかのアームがプラプラしてないか確認したりしてた。 ハタと気が付いた! 落ち着いて指定の空気圧を確認すると・・・。 F1.4にR1.8。 あらら、とってもロープレッシャーなのね・・・。 タイヤを組み込みする際、適当に2.0にしていた自分のミスだった。 エアを抜いて再度試乗すると、ものの見事にハンドリングは改善されてた。 修理は順調に進んでいたのだが、困った大きな問題が発生した。 車検証が送られて来ないのである。 オークション大王の決まりでは、車両は5日以内、車検証も7日以内で送られてくるのだが、待てど暮らせど、いっこうに送られてこないのだ。 「今回のクルマの車検証は来るのがが遅いねぇ・・・」などと呑気に言っていたのだが、落札から10日間が過ぎて整備もすっかり終わってしまった。 あとは車検を受ければ納車なのだが、肝心の車検証が無いことには、それが出来ないのである。 しびれを切らして出展会場に催促を促そうとオークション大王に電話した。 が、出展会場にこちらから直接の連絡は出来ないという。 あくまでオークション大王を仲立しての連絡というルールとなっているらしい。 「じゃあ、向こう伝えてよ・・・。」 その返事は意外にも「もう送ってます。問い合わせ番号は○○○・・・・・・・・。」 な~んだ、行き違いか・・・。 一安心だと思ったのもつかの間、問い合わせ番号を主催者が調べると、全く違う書類の番号だった。 当然ながら、翌日にも翌々日になっても車検証は来なかった。 いい加減さに腹が立ち、オークションを主催するオークション大王本部にも相談して、出品者に直接の直談判を申し出たのだが、これは決まりで直接の話合いは出来ないことになっているとのこと。 う~ん、おかしな話だ。 出品者は何故車検証を送らないのだろう? 車検証を送らないことには、せっかく売れたクルマの代金も懐に入らない(※契約成立まではオークション大王が代金をプールしている)誰も得にはならない。 すわ、盗難車か?とも思ったりして・・・。 更に1週間が過ぎた。 僕が出来るのは、オークション大王本部に車検証を送ってもらえるよう伝えてくれ!という催促の電話だけ。 オークション大王本部を通しての出品者からの返答は「明日送るという」「今週中に送る」というお決まりのセリフばかりで、一向にラチがあかない。 もどかしい。 オークション大王の担当者にしても、こういったケースは未経験とのことで、対応にとても苦慮していた。 そちらが苦慮しているのも分かるが、ひたすら待たされるだけのこちらとしては、とても納得のいく話ではない。 事あるごとに催促の連絡を送り、その返事を待つという、まさに眠れない夜を過ごすことになった。 「こちらが一方的に悪いのに、ホント迷惑をかけてすいません。」落札を担当したK君も意気消沈だ。 何の得にもなっていない僕にしてみれば、まさに針のむしろに座らされている気分。 しかし、何とかこの局面を打開し、こちらが有益になるように頑張らねば! この依頼主はあくまで僕に依頼をしたのだから。 更に1週間が過ぎた。 いつものようにオークション大王に電話する。 ※Aはオークション大王の担当者 僕 「これだけ待たされたわけだけど、この無駄な時間に対して何か見返りはあるの? A 「1週間以上の遅れの場合、1日に付き¥2、000-が落札価格より引かれます。 僕 「これだけ待たされてペナルティがたった¥2、000ーぽっちかよ。それじゃ、ギリギリまで待つことになっても¥60,000-にしかならないじゃん。」 僕 「何時まで待てば良いのか? A 「期限は30営業日(日・祝祭日を除く30日)。 僕 「・・・ってことは、あと10日くらいか・・・。それまでは何も出来ないわけ?」 「じゃあ、10日経って期限切れの場合はどうなるの?」 A 「契約不成立ってことで、クルマは買わなくても良いということになります。その場合は¥100,000-が違約金として支払われます。 僕 「いやいやいやいや、時間をかけて整備もやったし、パーツも15万円くらいは取り付けしてしまってる。エンジンオイルやA/Tフルード・冷却水なんかも交換してしまってるから、それじゃ足りないよ~。」 「整備した時間と交換のきかない部品の代金はどうすんのよ?それは払ってもらわにゃならん。」 A 「そういったお金については請求書をあげて下さい。・・・っと言っても、全部はどうなかな?」 僕 「全部はどうかな?って、じゃあ、そのお金は誰が払うの?それはおかしいじゃない。」 A 「弊社といたいましては、何千件という売買に関わってきたのですが、なにしろ初めてのケースであります。最終的にどういう話になるのかは、まだはっきりとは言えないんですよ~。」 まあ、大体いつもこんな感じの話になるのだ。 このオークションシステムだが、大きなお金が動くにしてはペナルティが緩すぎだし、期限も30営業日というのは長すぎる。 オークション大王としては、これがルールであるから、それに従うより他に方法が無いのだと言う。 で、最終的にはお金で解決するしか方法は無いのですと肩を落とすありさま。 対応にはホント苦慮しているようだ。 たかだか4万円の利益でこれだけわずらわしい思いをするのも大変だろうな・・・などと同情したりして。 なんとなく最終的な形が見えてきたんで、僕自身が怒ってばかりいるのでは、話が前に向いていかない。 一番の被害者である依頼主と話をする為、落札をした担当者、それに僕の3人で対応を協議するための会合を持った。。 しかし、こんないい加減な話はとても耐えられるわけがない。 怒ったり、嘆いたりしていたのだが、僕も誠心誠意説明を繰り返してなんとかわかってもらえた。 これだけ待たされると、ボランティアで仲介をかって出た僕にしても、顔の泥をぬられた感じだ。 怒りはすでに通り越してしまい、もはや諦めの境地になり、笑いさえ出てくる。 依頼主もあきらめモードに入ったようで、次はどうするか?の相談をするようになった。 嬉しかったのは、これだけ深刻な迷惑をかけたのに、またしても僕に仲介をお願いすると言ってくれたこと。 どうやら、こういうトラブルになってしまったけれど、それから逃げずに対応したのが良かったらしい。 面倒なことに巻き込んでしまって恐縮至極なのに、なんとまあ話のわかる依頼主さんだ。 そこまで信頼されているなら、時間をかけて今度こそ良いクルマを探そう。 もう、このジムニーはさっさと諦めて、気持ちを切り替え、新しい業者と新たにクルマを 探そうと考えて、何件かの中古車屋に相談をしていたのだが・・・。 まさに期限切れの前日にその連絡がやってきた。 「今日、車検証を送りました。」 また、いつもの戯言かと高をくくっていたのだが、翌日ホントに車検証が送られてきた。 まさに青天の霹靂。 なんだか釈然としない思いはあったが、依頼主に事情を話て了解をもらい、さっそく車検を受けることにした。 準備は万端だったから、スムーズに車検合格。 その間に違約金¥60、000-戻ってきた。 依頼主と話をして、そのお金で壊れたMDデッキを交換し、リア3面にスモークフィルムを貼ることにした。 かくして、6月14日に納車の運びとなった。 クルマを落札してから実にに50日近くなっていた。 バブルの頃にNSXを買うくらいの時間がかかったよ。 納車のときのジムニーを1時間くらい運転した。 タイヤをケチらずにBSデザートデューラーにしたのがよかったのか、ハンドリングがすこぶる調子良い。 落札を担当したK君とホッとしたのだった。 後日、ジムニーオーナーから嬉しい連絡があった。 「なか②イイ感じよ(笑い)^ー^ また、なんかあったら言うね。」 辛抱強く待ってくれた依頼主さんありがとう。
by high-drive
| 2007-06-29 19:30
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